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  第10話「A Happy New Year, 菌が新年」

 

 北海道大学名誉教授・日本食品分析センター顧問 一色賢司

一色先生の略歴

http://researchmap.jp/isshiki-kenji/

 

 新年、明けましておめでとうございます。

 図1は、光る細菌を使った新年のご挨拶です。北海道大学フードチェーン保全研究室の卒論生だったK君の作品です。加塩寒天培地上に図1の左上の発光細菌を使って書いたものです。図1の発光細菌の由来は、石狩湾で釣り上げられて一夜干しにされた宗八カレイです。一夜干しは夜になると図2のように青白く光っていたとして、保健所に持ち込まれた検体です。K君らの活躍で検体から発光細菌が分離され、Photobacterium kishitanii と同定されました。

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 発光細菌は身近にもいますが、その多くが海で暮らしています。地球には色々な生き物がいますね。このP. kishitaniiなどの発光細菌は、少数では光りません。仲間が増えると光り始めます。熱を伴わない光なので、冷光とも呼ばれます。ノーベル賞に輝いた下村脩博士の研究は、オワンクラゲの冷光の研究です。現在では、ガン細胞を光らせる技術にも応用されています。

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 海には沢山の生物がいますが、とくに多いのが海洋細菌です。1mlの海水中に数万~数十万の細菌が検出されることもあります。海底の土からは、海水中の細菌数の100~1,000倍の細菌が検出されることがあります。人間は全ての細菌を培養し検出できてはいないと考えられています。実際には、さらに多くの細菌が海で暮らしていると思われます。

 陸上にいる細菌は、生育に塩(NaCl)を必ずしも必要としません。塩分濃度が高くなると増殖できなくなり、死滅する場合もあります。海には塩の有無に関係なく生育できる細菌もいますが、多くの海洋細菌はその生育に塩が必要です。P. kishitaniiも塩分がないと生育できません。また、発光するには酸素が必要です。

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 P. kishitaniiは海洋細菌ですので、低い温度でも生育し、発光します。高い温度には弱く30℃程度で死滅します。第6話でお示ししましたように、低温で増殖するリステリアやエルシニアによる食中毒が世界各地から報告されています。これらの食中毒菌は冷蔵庫の中でも増殖することができます。第6話の図2にリステリアの増殖曲線を示しています。P. kishitaniiの加塩培地での増殖と発光の様子は、今回の図3に示しました。リステリアやエルシニアよりもP. kishitaniiは低温増殖性が強く、これらの食中毒菌の増殖前に増殖し、発光しました。冷蔵庫等の低温環境における食中毒菌の増殖も本菌により警告できることが明らかになりました。

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 P. kishitaniiは、塩分の無い場所や気温の高い場所では死滅してしまいますので、一般家庭でも食品の低温管理の警告指標として適していると考えられました。残念ながら、ヒスチジンを脱炭酸してヒスタミンを産生する能力を有していましたので低温管理インジケータとしての実用化には、さらなる工夫が必要です。

 本年が、光り輝く良い年になることを祈ります。乾杯!(図4)。

 

【参考文献】

厚生労働省、リステリアによる食中毒、

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055260.html

東京都福祉保健局、ヒスタミンによる食中毒、

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/anzen_info/others/his/

一色賢司、コールドチェーンにおける温度上昇警告用示温材の開発、日本食品新素材研究会誌、14、54-65(2012)

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