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  第14話「ありがとう、酵母さん」

 

 

 北海道大学名誉教授・日本食品分析センター顧問 一色賢司

一色先生の略歴

http://researchmap.jp/isshiki-kenji/

 

 

 「酵母」は、大昔から人類の食生活には欠かせない大切な微生物でした。今日でも、重要な役割を果たしています。お酒作りにも味噌・醤油作りにも、重要な役割を果たしています。お酒作りには数千年の歴史があると言われますが、我が国で「酵母」という言葉が使われたのは明治時代の中期になってからのようです。イーストyeastの訳語として使われたのが始まりのようです。日本酒作りでは、酛や酒母という言葉は,昔から使われていたようです。「酵母」は何千年も人類の食生活に貢献してきましたが、「酵母」の名前は百数十年しか使われていないようです。

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1)パンと酵母について

パンにおける酵母の役割を図1に示しました。小麦粉などのパン生地でパン酵母が発酵を始めると炭酸ガスが出ます。パン生地は膨らみ始めます。ガス抜きとも呼ばれる作業をしないで焼くと、大きな穴を持つパンになってしまいます。きめの細かいパンを焼き上げるには、ガス抜き作業をていねいに行う必要があります。パンを作る技術は進歩しています。

冷凍しても活力を失わないパン酵母が探され、パン生地作りに利用されるようになりました(1)。工場でガス抜き作業まで済ませたパン生地を冷凍保存できるようになりました。駅やスーパーマーケットの一角で冷凍保存されたパン生地を電気オーブンで焼くことで、焼きたてのパンを容易に提供することが可能になりました。熟練の技術と労力、そして時間を要するパン生地作りを,工場で冷凍耐性パン酵母を使って終わらせることが可能になりました。

パンは起源前4000年頃には、食べられていたと推定されています。最初は発酵させずにパン生地を焼いて食べていたようです。やがて、発酵させたパン生地も焼くようになりました。発酵パン生地の発見は偶然だったかも分かりません。野生酵母が美味しいパンをもたらせたのでしょう。酵母の存在が明らかになったのは,顕微鏡を開発したレーウェンフックがパン生地を観察した1683年と言われています。

パン生地の中で酵母が重要な役割を果たしていることを明らかにしたのはパスツール(第8話に登場)でした。1857年にパスツールは、酵母が糖をアルコールと炭酸ガスに分解することを解明しました。酵母は美味しいパンの立役者ですね。

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2)冷凍耐性酵母等の利用

 要冷蔵食品の取り扱いの失敗や停電による冷蔵装置の停止に伴う、食品の温度上昇に先んじて警告を発するインジケータに,パン酵母を応用しました(2)。冷凍しても死なないパン酵母を使いました。図2のようにパン酵母を用いた実験では、時間とともに発生した二酸化炭素が、泡として認められ、やがて小袋自体が変形しました。図3のように中温域では強いガス発生が起こりました。4℃でもガスが発生したことから、低温用の温度管理用インジケータとして活用できる可能性が示されました。図2は10℃での実験の様子ですが、糖(グルコース)濃度の調整によりガス発生量を制御することも可能でした。小袋内のATP量の測定を行ったところ、ガス発生量と同様な増加傾向を示していました。

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図4に示すように赤キャベツ色素を加えて色調変化と泡の発生を2つの指標としたインジケータを作成することも可能でした。酵母により炭酸ガスが沢山作られると培地のpHが小さくなり,赤キャベツ色素が青から赤色に変化してガスの泡とともに警告を発します。

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 第6話のリステリアのように低温でも増殖し、食中毒を起こす細菌もいます。パン酵母を利用したインジケータは冷凍保存もでき,食品に添付すれば食中毒の警告や品質低下の防止等に役立ちます。我が国も,Codex国際食品規格委員会の勧告を受け入れ,リステリアの増殖可能な食品の流通・保管温度を6℃以下にしようとしています。この分野でもパン酵母の活躍が期待されます。

酵母さん、これからもよろしくお願いいたします。

 

参考文献:

1)日野明寛,冷凍耐性酵母,化学と生物 28(11), 736-739(1990)

2)H.Kogure,et.al., Development of a novel microbial sensor with baker's yeast cells for monitoring temperature control during cold food chain,J.Food Protection, 68, 182-186 (2005)

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