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  第3話「食品の微生物制御」

 

 北海道大学名誉教授・日本食品分析センター顧問 一色賢司

一色先生の略歴

http://researchmap.jp/isshiki-kenji/

 

食品の品質劣化や安全性の低下には、微生物が深く関係しています。我々人間も生物であり、微生物も食品素材も生物です。いずれも変化するものであり、安全な食品の安定調達には、常に見直しが必要です。食品の品質を確保するためのあらゆる活動を品質管理と呼んでいます。

微生物制御(microbial control, antimicrobial intervention)は、食品種類にもよりますが、品質管理の中でも最も難しい課題の一つです。微生物制御は、祖先からの食品の取扱いが基礎となり、科学的な研究開発により、現在でも創意工夫が付け加えられています。我が国には多くの発酵食品もあり、微生物制御の伝統が受け継がれています。室町時代には酒の火入れが行われており、パスツールの実験よりもはるかに早くから、微生物制御に取り組んできた歴史があります。

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 食品における微生物制御には、対象食品、対象微生物、これらの環境等の違い、さらに食文化的な要因も加わって様々な手法が編み出されてきました。ハードルテクノロジーに代表される複数の手法の組み合わせが行われる場合もあります。それらを整理すると図1や表1のようになります。

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 食品関係者の中には、微生物制御に関する用語を誤用し、信頼性を失っている方もいます。表2に用語の解説を行いましたので、参考にしてください。食品中の微生物を1匹取り除いて1億匹残ったとしても除菌です。1億匹の微生物を99%殺菌しても100万匹残ることを理解していただきたいと思います。病原性の強いO157やノロウイルス等の微生物の場合は、100個以下でも口に入れば発病することが疫学調査から判明しています。理論的には、1匹のO157やノロウイルスが食べた人の腸壁に到達できれば発病する可能性があります。どのような人が、どのような状態で食べるのか思いやる心(ビタミン愛)も、食品の微生物制御には必要です。

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【参考文献】

一色賢司:生食のおいしさとリスク、(株)エヌ・ティー・エス(2013)

日本食品微生物学会:食品微生物学辞典、中央法規出版(2010) 

 

 

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