株式会社 バイオ・シータ 食品細菌迅速自動検査システム DOX (DOX-60F DOX-30F) 一般生菌/大腸菌(群)を迅速に測定

You are here: Home > 食品衛生コラム >   第53話「気候変動と食品安全」

  第53話「気候変動と食品安全」

 

 

 北海道大学名誉教授・日本食品分析センター顧問 一色賢司

一色先生の略歴

http://researchmap.jp/isshiki-kenji/ 

 

 

 

関東は、6月29日に早々と梅雨明けしました。気象観測が始まった1951年以降、最も早い梅雨
明けだそうです。世界各地から気候変動について様々な報告がなされ、先行きを心配する声が次第に大きくなっています。

 

ishiki531.jpg


7月に入ると図1のように、「命にかかわる大雨の警告」が出されました。西日本に豪雨が続き、図2のように大きな被害が生じてしまいました。7月20日現在で、犠牲になられた方は225名にもなっておられます。お悔みとお見舞いを申し上げます。今回は、気候変動と食品安全の関係についてお話ししましょう。

 

ishiki532.jpg

 


1) 南アフリカからの報告


第48話で史上最悪のリステリア食中毒が南アフリカで発生し、周辺諸国への援助も含めて世界
保健機関が対応を開始していることをお話ししました。
現在、新たな患者は報告されていませんが、これまでに1056名の患者と214名の死者が報告さ
れています。South Africa Medical Journalという医学雑誌が、 このリステリア食中毒を取り上げています。「気候変動が南アフリカのリステリア症の流行にどのように影響するか? 」というタイトルで、興味深い内容が書かれています。表1は記事の要約です。

 

ishiki533.jpg


わが国でも参考にすべき事項が沢山述べられています。特に、生食文化を持つ我が国では、古
来より、清潔な水と安全は天与のものであると思われてきました。しかし、諸行無常であり、気候変動により天与のものではなくなることも考えておかなければなりません。すでに今回の西日本豪雨のように、未曾有の短時間大量降水も現実のものとなっています。
渇水も大雨も困ります。平年並みの降水であったとしても、対策が不十分であれば病原体に汚
染された水が農業用水として使われる可能性もあります。


2) O157食中毒事例も参考に


第51話では、本年発生した米国とカナダでのロメインレタスが媒介した腸管出血性大腸菌
O157:H7食中毒についてお話ししました。最終的には、患者210名、死者5名と報告されています。当該ロメインレタスの生産地はアリゾナ州ユマ地区でしたが、生産農場は特定できていません。その後の調査で農業用水から原因菌と同じ遺伝子を持つO157が検出されています。他の環境からは検出されていません。


2006年にも米国各地でO157食中毒が発生し、患者205人と死者3名が報告されました。原因食品は、ほうれん草でした。産地はカリフォルニア州サリナス地区でした。調査により疑わしい地域は特定できましたが、どのようにして汚染が発生したかは結論づけることはできませんでした。

さらなる調査により、環境リスク要因として、野生の豚や牛、野生生物の糞便に汚染された水源などが浮かび上がりました。この場合も、水源を含む農業用水の管理が重要であると指摘されています。

 

わが国でも、本年5月25日以降、関東で6件の同じ遺伝子型O157による食中毒が発生しています。食べ残されたサンチュから同じ遺伝子型O157が検出され、生食される葉物野菜であるサンチュが原因食品と考えられています。この場合も、生産農場や作業者、使用水からはO157は検出されていません。ある時期の使用水が汚染を受けていたのかも分かりません。

洪水で汚染された野菜・果物は、食用不適です。病原体に汚染されている可能性があります。
今回お話ししたリステリアもO157も、牛や豚などの動物の腸内で増え、地下に浸みこんだり周辺環境に出てきたりすることもあります。図3は、動物由来の病原体の食品や人体への移行の様子です。全ての矢印を遮断する必要があります。

 

ishiki534.jpg


気候変動は、図3の矢印の遮断を難しくしてしまう可能性を持っています。図4の新聞記事では
、他の先進国に比べてわが国の気候変動に対する関心は低く,対策は遅れていると述べられています。気候変動により、人間の体力も奪われてしまうことも想定されます。体調維持と食品衛生対策を心がけ、気候変動とその対策にも関心を持ちましょう。

 

ishiki535.jpg


【参考文献】

1) Republic of South Africa: Listeriosis outbreak situation report – 04/07/2018
http://www.nicd.ac.za/wp-content/uploads/2018/07/Listeriosis-outbreak-situation-report-_4July2018_fordistribution.pdf


2) FDA: FDA Investigating Multistate Outbreak of E. coli O157:H7 Infections Linked to Romaine Lettuce from Yuma Growing Region (2018年6月30日)
https://www.fda.gov/Food/RecallsOutbreaksEmergencies/Outbreaks/ucm604254.htm


3) 厚生労働省:埼玉県、東京都、茨城県及び福島県から報告された同一の遺伝子型の腸管
出血性大腸菌 O157:H7 による感染症・食中毒事案について(2018年6月15日)
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11135000-Shokuhinanzenbu-
Kanshianzenka/0000212351.pdf

« prev  |   top  |   next »

MOモイスチャライザー

ダイキン工業が開発し、(株)バイオ・シータが発売する、世界初のフェイス・モイスチャライザー。

ヒアルロン酸を含んだ高保湿ミストが、人の肌を追いかけて保湿することができるので、ミストの方を向いていなくても「ながら保湿」ができる、画期的な美容家電です。

株式会社 バイオ・シータ

〒532-0011
大阪府大阪市淀川区西中島3-20-9-603

TEL: 06-6886-8204 / FAX: 06-6886-8224
E-Mail: dox@bio-theta.co.jp

DOX SYSTEM

English Pages »
Bio-Theta.Ltd.

3-20-9-603 Nishinakajima, Yodogawa-ku, Osaka, 532-0011 Japan

TEL: +81-6-6886-8204

FAX: +81-6-6886-8224

E-Mail: dox@bio-theta.co.jp

Powered by CMSimple | Template by CMSimple | Login