株式会社 バイオ・シータ 食品細菌迅速自動検査システム DOX (DOX-60F DOX-30F) 一般生菌/大腸菌(群)を迅速に測定

You are here: Home > 食品衛生コラム >   第61話 「平成30年の食中毒の発生状況」

  第61話 「平成30年の食中毒の発生状況」

 

 

 北海道大学名誉教授・日本食品分析センター顧問 一色賢司

一色先生の略歴

http://researchmap.jp/isshiki-kenji/ 

 

 

 

ishiki611.jpg

 

ishiki612.jpg


平成30年(2018年)の我が国の食中毒事件の集計結果が、厚生労働省のホームページに発表されました(1)。

その事件数を集計し,年毎に折れ線グラフにしたものが図1です。図2は,患者数の変化です。例年と様子が違っているようですね。

 

1)アニサキス食中毒が事件数の第1位

 

図1に示されているように,アニサキスによる食中毒は平成25年から独立した分類として集計されるようになり、より正確に把握できるようになりました。毎年のように食中毒原因として報告される例数が増え,とうとう平成30年には第2位のカンピロバクター食中毒 318件をはるかに上回る467件のアニサキス食中毒が報告されています。


病院における内視鏡を使った検査技術の向上や,魚介類の流通改善によるアニサキスの活性の保持などが影響していると思われます。詳細は、参考文献2)の杉山広博士による報告を参照してください。


事件数の第3位は、ノロウイルス食中毒の252件でした。

 


2) 患者数ではウェルシュ菌食中毒が第2位


図2のように、患者数が最も多かった食中毒はノロウイルスによるものでした。例年、第2位はカンピロバクター属菌による食中毒ですが、平成30年はウェルシュ菌食中毒でした。第3位はカンピロバクター属菌食中毒でした。


アニサキス食中毒の事件数は468件ですが、患者数は478人でした。1つの事件あたりの患者数が少ないのが特徴です。原因となった生の魚介類の可食部位のアニサキスの密度が低いことが影響していると考えられます。


 逆にウェルシュ菌食中毒では、事件数は32件でしたが、患者数は2,319人でした。1事件あたりの患者数は72人となりました。昔から、ウェルシュ菌食中毒は給食病とも呼ばれることがあり、平成30年も京都や仙台の刑務所での給食を原因とする大型のウェルシュ菌食中毒が発生しています。

 

ishiki613.jpg


3)食中毒と品質保証

 

 表1に平成30年の我が国の食中毒発生状況を取りまとめた結果を示しました。事件数、患者数とも平成29年よりも増加していました。増加率は、事件数31%、患者数5%でした。死者数は 3人で、平成29年と同じでした。原因物質は、イヌサフランとニセクロハツキノコでした。いずれも、個人的に採取し、誤食してしまったものでした。

 

 食中毒は、一般的には「飲食物を介して体内に入った食中毒菌、ウイルス、有毒物質による急性および亜急性の胃腸炎等の症状」と解釈されています。法的に明確に定義された文書はありませんが、食品衛生法第58条に以下の記述があります。「食品、添加物、器具若しくは容器包装に起因して中毒した患者若しくはその疑いのある者(以下「食中毒患者等」という。)を診断し、又はその死体を検案した医師は、直ちに最寄りの保健所長にその旨を届け出なければならない。」

 

ishiki614.jpg

 

ishiki615.jpg


 食中毒を疑う医師から届け出を受けた後に、図3に示しました調査が始まります。医師が衛生当局に食中毒の疑いを報告しない場合は、食中毒の調査が行われないことになります。図4には、食べ物に由来する食後の健康被害(食性病害)と食中毒の関係を示しました。図1および2や表1の内容は実際の食中毒の一部、さらには食性病害の一部分であると考えられます。食品取り扱いを職業にされている方は、フードチェーンのどの部分を担当されていても図4の全ての項目について責任を果たす必要があります。


 品質保証は、顧客に対して製品の性能や機能を保証することです。品質管理は、品質を維持・向上させる組織内部的な活動です。食品取り扱い企業は、経営者以下、全組織が品質を維持する活動に取り組むことを保証できなければなりません。食品取り扱い部門だけの活動では品質保証は機能していないと見なされます。品質保証は食品取り扱い部門ではない者が担当すべきです。


食中毒等の発生、異物等の申し出への対応にも事前準備をしておく必要があります。事故等の発生時は誠意を持って対応を行い、正確な情報の収集と対策の実施を行うことも、当然必要です。


参考文献:


1) 厚生労働省:食中毒統計資料
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/04.html


2)杉山広:アニサキス食中毒、食品安全委員会第78回微生物・ウイルス専門調査会、資料2、2019年3月4日、https://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20190304bv1


3) 厚生労働省:最近の多様な食中毒の対応について,平成30年度感染症危機管理研修会資料、平成30年10月17日、https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/kikikanri/H30/1-04.pdf


4) 一色賢司、小田隆弘、黒瀬光一、宮本敬久:「食品衛生学、第2版」一色賢司編、東京化学同人(2019)

« prev  |   top  |   next »

MOモイスチャライザー

ダイキン工業が開発し、(株)バイオ・シータが発売する、世界初のフェイス・モイスチャライザー。

ヒアルロン酸を含んだ高保湿ミストが、人の肌を追いかけて保湿することができるので、ミストの方を向いていなくても「ながら保湿」ができる、画期的な美容家電です。

株式会社 バイオ・シータ

〒532-0011
大阪府大阪市淀川区西中島3-20-9-603

TEL: 06-6886-8204 / FAX: 06-6886-8224
E-Mail: dox@bio-theta.co.jp

DOX SYSTEM

English Pages »
Bio-Theta.Ltd.

3-20-9-603 Nishinakajima, Yodogawa-ku, Osaka, 532-0011 Japan

TEL: +81-6-6886-8204

FAX: +81-6-6886-8224

E-Mail: dox@bio-theta.co.jp

Powered by CMSimple | Template by CMSimple | Login